許海実が完全復帰でユニバ連覇…来年アジア大会へ拍車

 在日同胞3世の女子柔道選手、許海実(ホ・ミミ、22、慶北体育会)が大学生世代のオリンピックと言われる2025ワールドユニバーシティゲームズで2連覇を達成した。

 許海実は7月24日(日本時間)、独エッセンのメッセエッセンハルレで行われた柔道女子57㎏級決勝戦で、ハンガリーのロザ・ギエルティアス(22)に背負投げで一本勝ちし、金メダルを獲得した。2年前の成都大会に続く2連覇となった。

 許海実は「2連覇を達成できてうれしい。昨年のパリ五輪以降、肩の治療とリハビリで試合感覚がかなり落ちていたが、今回の優勝で自信を取り戻した」と話した。

 許海実は始終余裕のある表情で力と技術で相手を圧倒した。抑え込みでそれぞれ技ありと有効を奪った許海実は背負投げで一本勝ちした。ギエルティアスは許海実の一方的な攻撃を防ぐばかりで、実力差を実感したような表情だった。

 今大会を最後に許海実は今年の主な国際大会日程を終えた。許海実は帰国後しばらく休養後、来年の愛知・名古屋アジア競技大会に向けて本格的な練習に入る予定だ。

 プレースタイルをライバルたちに露出しただけに、新しい技を磨くことが最優先となる。許海実は「今の最も大きな目標は来年日本で開催されるアジア競技大会。必ず金メダルを取りたい」とし「そのためには今より新しい技と変則的なスタイルを身につけなければいけない。多くの努力をしている」と語った。

 許海実は昨年の世界柔道選手権で韓国女子選手では29年ぶりに金メダル(女子57㎏級)を獲得。続く2024パリ五輪で銀メダル(女子57㎏級)と銅メダル(混合団体)を獲得し在日同胞女子アスリートとして発の五輪メダリストとなった。

 許海実選手は所属チーム監督で柔道女子韓国代表チームのコーチである金正勲氏に「スポーツを通じて韓日両国の懸け橋になりたい」と話している。

 許海実選手は「韓国に来た当時はまだ韓国について何も知らなかった。その後、独立闘士の子孫という事実を知ることになり、韓国について勉強しながら在日同胞スポーツ選手としてできることをやっていきたい」と述べている。

ワールドユニバーシティゲームズで2連覇した許海実選手(左から2人目) 【写真=大会組織委員会】

ハンガリーのロザ・ギエルティアスに背負投げで一本勝ちした許海実選手(写真は準々決勝)【写真=大会組織委員会】