在日本大韓体育会の創立70周年記念式典を開催
スポーツを通じて次代の在日同胞アスリートを育成してきた在日本大韓体育会(崔相英会長)が4月2日、東京都内のホテルに関係者200人余りを集め、会の創立70周年を振り返った。特に1953年から始まった韓国国体への選手団派遣は今日までに累計1万人を超え、韓国国家代表への道を開き、五輪や国際大会で活躍する人材を多数輩出してきた。
解放直後、ロンドンオリンピックに出場する韓国選手団への支援は、在日本大韓体育会が正式発足する前のこと。当時の祖国は貧しかった。在日体育人の祖国愛が五輪初出場をアシストした。
在日本大韓体育会を創立すると、各種国際大会に出場する韓国選手団のサポートや在日スポーツ振興のための事業を展開してきた。特に、韓国国体への在日選手団派遣は同会の長い歴史を振り返っても誇るべき事業だ。通算選手数は延べ1万人を超す。
かつて在日同胞は国籍要件により、日本の国民体育大会などに参加できなかった。それだけに、国体参加は韓国人としてのアイデンティティーを育成し、母国との絆を確認する貴重な機会となっている。
最近では東京五輪男子柔道73㌔級銅メダリストの在日3世、安昌林氏が代表的だ。
安氏は2021年12月に引退した後は慶北体育会に所属し、自らはかなえられなかった五輪金メダリストを育てる夢を抱いている。安氏の指導を受けている在日3世、女子柔道の許海実、金知秀両選手はパリ五輪出場が有力視されている。
冒頭、崔会長は70年の歩みを振り返りながら「韓国選手の躍進のかげには、支援を惜しまなかった在日の力があったと自負している」と胸を張った。
これに対して、駐日韓国大使館の尹徳敏大使は「在日の献身や支援によって国際社会における韓国の存在感を高めることができた」と感謝の言葉を述べた。
崔会長には尹大使を通じて韓国文化体育観光部長官からの表彰状が授与された。崔会長からはパリ五輪への出場が注目されている女子柔道選手の許海実と金知秀の両選手に激励金として合わせて1000万ウォン、京都国際高校の李隆男理事長にも200万円を贈った。
在日本大韓体育会は1953年5月5日に設立され、56年には大韓体育会日本支部として認定された。その前身は解放直後の1947年4月11日に蔡洙仁氏が中心となって設立した在日朝鮮体育協会だった。
在日朝鮮体育協会は1948年、第2次大戦後最初となるオリンピック競技大会に出場する韓国選手団を横浜港で出迎え、64万3500円の募金と運動器具、ユニホームを寄贈し、開催地のロンドンに送り出した。
4年後のヘルシンキ五輪には約1000万円の募金を集め、韓国戦争中のために出場をためらっていた韓国政府の背中を押した。
体育人を中心とする在日同胞の祖国愛は1988年の五輪開催地がソウルに決定したことでピークに達した。「よくぞここまで発展した」と「在日韓国人後援会」を組織し、100億円を超える募金を集め、大会の成功を後押しした。