<仁川国体>在日同胞、史上最多金メダルで連覇

29個のメダルで圧倒 

 10月18日から熱戦が繰り広げられていた第94回韓国国体・仁川大会は10月24日、すべての競技を終え閉幕。在日同胞選手団(鄭進選手団長)は国内種目を含め、金17、銀6、銅6の合わせて29個のメダルを獲得、圧倒的な強さで2年連続で海外同胞の部総合優勝を果たした。2位は金メダル7個の在中国同胞、3位は在ニュージーランド同胞だった。 

 在日同胞選手団は昨年更新したばかりの最多金メダル13を4個上回る大活躍。28ある海外同胞種目のうち16種目を制覇した。 

 テニス男女の全4種目、ボウリング女子の全5種目に加え、ゴルフ男女の3種目、テコンドの3個が量産につながった。 

 圧巻はボウリング女子の柳真裕実。個人、2人組、3人組、5人組、マスターズの全5種目で優勝、史上初の5冠王を達成した。 

 テニスも男女ともに単式と複式で優勝。とくに、男子は韓成民 (つくば国際大付属東風高校)と鄭直喜(鹿児島鳳凰高校)の高3コンビがヤングパワーを発揮した。 

 ゴルフは大学生トリオが活躍した。女子の金亜由美(大阪学院大学3年)は昨年の続く連覇。鄭美耶(愛知大学2年)も3位と健闘し女子団体優勝に貢献、男子も金智宇(日本大1年)が最終日に猛追しての逆転優勝だった。 国内種目でも奮闘…柔道安沙好が連覇 

 在日同胞は昨年に続いて、国内種目でも奮闘ぶりを見せた。 

 19日、柔道女子高校63キロ級で安沙好(埼玉栄高校3年)が昨年に続いて金メダル。世界ユース選手権の韓国代表でもある安は翌日、気分を良くしてスロベニアに向かった。 

 20日の男子大学では昨年の金メダリスト金琳煥(66キロ級)が銀、宋考一(100キロ級)も銅を獲得した。さらに、23日にはレスリング・高校男子フリースタイル63キロ級で鄭允長(霞ヶ浦高校2年)が、強豪選手を次々と破り銅メダルを獲得した。 

 北海道出身の鄭允長は、幻となったモスクワ五輪韓国代表、鄭文宗氏の長男で2代にわたってのメダリスト。 

 99年の仁川、03年の全北に続き、3度目の選手団長でも総合優勝を果たした鄭進団長は「正直、このメダル数は驚き。各競技とも着実な選手発掘・育成が進んでいることを実感した」と目を細めていた。 

 在日本大韓体育会の崔相英会長も「国内種目でもメダル4個と活躍を見せた。今後も韓国代表選手輩出に努めたい」と話していた。

在日同胞選手団のメダル

◆金(17個)
【ボウリング】
▽女子個人=柳真裕実
▽女子2人組=柳真裕実、金星伽
▽女子3人組=朴祥子、金星伽、柳真裕実
▽女子5人組=金星伽、金光子、朴祥子、黄聖姫、柳真裕実、金貞姫
▽女子マスターズ=柳真裕実
【テコンドー】
▽男子+80㌔級=金秀範
▽男子+68㌔級=李炫眞
▽女子+57㌔級=姜智海
【テニス】
▽男子単式=韓成民
▽男子複式=韓成民、鄭直喜 
女子単式=李世元
▽女子複式=李世元、金順美
【ゴルフ】
▽男子個人=金智宇
▽女子個人=金亜祐美
▽女子団体=金亜祐美、鄭美耶
【スカッシュ】
女子=徐華瑛
【柔道】
▽高校女子-63㌔級=安沙好(国内)

◆銀(6個)
【ボウリング】
▽男子3人組=金学均、金総一、鄭良洙
▽女子マスターズ=金星伽
【テコンド】
▽男子-58㌔級=金福音
▽女子+67㌔級=洪寿美
【サッカー】
▽男子
【柔道】
▽大学男子-66㌔級=金琳煥(国内)

◆銅(6個)
【スカッシュ】
▽男子=朴起男
【テコンドー】
▽男子-58㌔級=李然宰
【ボウリング】
▽男子5人組=金富夫、姜直樹、金総一、鄭良洙、金一男、金学均
【ゴルフ】
▽女子個人=鄭美耶
【柔道】
▽大学男子-100㌔級=宋考一(国内)
【レスリング】
▽高校男子フリースタイル-63㌔級=鄭允長(国内)